ドラムマップ

2018年08月22日

ドラムトラックの打ち込み

Cubaseでのドラムパートの打ち込みは、任意のキーを打ち込めば、ソフトシンセでそのキーに対応する楽器を鳴らすことができます。例えばCubase付属のGroove Agent SE(下図EX1-1)でも、どのキーに対応しているかが表示されているパッドがあります。(EX1-2)

EX1-1

EX1-2

つまりキーエディター上で以下(EX1-3)のように打ち込めば、Kickを1拍ずつ鳴らすことができます。
EX1-3

ただし一般的にドラムセットをはじめ、打楽器は減衰系の音なので、MIDIデータの音価(デュレーション)をどのように打ち込んでも、再生される音に変化はありません。(サンプラー機能があるソフトシンセでは、MIDIデータの長さを反映するゲートタイプの再生方式を備えているものもあります。)

EX1-4

ドラムエディターを使用する

Cubaseにはドラムセットや打楽器を打ち込むのに最適なドラムエディターがあります。エディターは、ドラムエディターで打ち込みを行いたいイベントを選択状態にして、上部メニュー「MIDI」>「ドラムエディターを開く」で開きます。

EX1-5

ドラムエディターは以下のような画面になっています。打ち込んだデータ(ノートオン)は◆で表され、音価(デュレーション)の情報は表示されていないのが特徴です。またエディターの左側はピアノロールではなく、ノートのピッチと楽器名(インストゥルメント)が表示されます。

EX1-6

またドラムエディターは上記のメニューから開く以外に、インスペクターで「ドラムマップ」を指定することでも開くことができます。デフォルトでは「GMマップ」というドラムマップが選べるようになっているので、「GMマップ」を選択します。(EX1-7)

EX1-7

「GMマップ」とはGeneral MIDI(GM)規格に沿って設定されているマップで、例えばC1はBassDrum、C♯1はSide Stick、など、キー(ピッチ)に対応したインストゥルメントが決まっています。このGM規格に沿ってインストゥルメントが作成されているドラムキットであれば、簡単に音色を切り替えたりできるメリットがあります。ただ多くの場合、ドラム音源を販売しているメーカーによって、インストゥルメントの配置が異なっています。そのため、同じMIDIデータであっても、ソフトシンセを変更すると、スネアドラムの代わりにライドシンバルが演奏されてしまうといった事態が起こります。

たとえば下図XLN Audio「Addictive Drums 2」では、F♯1(42)は「Snare Side Stick」にマッピングされていますが、GMマップではF♯1には「Closed Hi-Hat」がマッピングされています。楽曲制作時、このソフトシンセによってマッピングが違うことは、なにかと不便を感じることが多いと思います。

EX1-8 Addictive Drums 2のマッピング(左)とGMマップのマッピング(右)(※右の画像はCubaseの画面です)




ドラムマップの作成

今回はXLN Audio「Addictive Drums 2」のマッピングに対応したドラムマップを作成する手順を例に、ドラムマップ作成方法を説明します。

まず、ドラムマップを新たに作成する場合は、インスペクターの下図(EX1-9)赤枠「ドラムマップなし」のラックをクリックし、「ドラムマップ設定」を開きます。

EX1-9

開くと下図(EX1-10)の「ドラムマップ設定ウィンドウ」が開くので、「機能」>「新規マップ」の順にクリックします。

EX1-10

新規マップはデフォルトでは「空のマップ」という名前で作成されるので、任意の名前を設定します。このブログでは「Addictive Drums 2」という名前で設定します。

EX1-11

「ピッチ」の項目は変更ができないですが、「インストゥルメント」「入力ノート」「出力ノート」などの項目は任意に変更可能です。変更したい項目の欄をクリックすると変更できます。

EX1-12

Addictive Drums 2のマッピングを参照しながら、インストゥルメントの項目に各楽器の名前を設定しました(EX1-13)。この作業はなかなか大変ですが、一度行ってしまえば今後の制作時に非常に便利です。

EX1-13

また、各ソフトシンセのマッピングは、ソフトのマニュアル等に記載されていますので、そちらをご確認ください。例えば今回のようにAddictive Drums 2のマッピングは、XLN Audioのホームページからマニュアルをダウンロードすることでも確認ができます。XLN Audioのホームページ上部の「SUPPORT」のページから各プラグイン(今回はAddictive Drums 2)のマニュアルをダウンロードできるようになっています。(EX1-14)

EX1-14

今回作成した「Addictive Drums 2」のドラムマップを設定して、ドラムエディターを開いた図を見ていただければわかりますが、インストゥルメントの項目に楽器名が設定されているだけで、どのピッチにデータを入力すればよいかが一目瞭然となり、ドラムトラックの制作作業効率がぐっとあがります。

EX1-15

また、複数の奏法が収録されているドラム音源などでは、実際に使用したい楽器が上下に離れてしまって、打ち込みがしにくくなってしまうこともあります(EX1-15の様に打ち込んでいる楽器が上下に分散してしまう等)。そのようなときは、エディター上で各ピッチの並びを入れ替えることも可能です。下図(EX1-16)では例として、よく使用するKick(C1)、Snare(D1)、Hi-hat(C♯2)を縦に3つ並べています。EX1-16の打ち込み自体は、EX1-15の打ち込みと全く同じものです。

EX1-16

ドラムマップの保存と読み込み

最後に、ドラムマップの「保存」と「読み込み」について紹介します。ドラムマップはプロジェクトに保存されますが、独立したファイルとして保存することも可能です。(拡張子は.drmとなります。)ドラムマップ設定ウィンドウ左上の「機能」>「保存」の順にクリックして、任意の名前をつけて保存しておきましょう。(EX1-17)Cubaseを新しくインストールする際や、他の人とプロジェクトの互換性を持たせたいときなどに、使用中のドラムマップのファイルを持っておくと便利です。他の人の環境や、新しくインストールしたCubaseで保存したドラムマップを読み込むには、保存したドラムマップの.drmファイルを読み込み指定すれば読み込むことができます。

EX1-17

今回は「ドラムマップ」についてご説明しましたが、このように、制作を便利に、効率的にできる機能がCubaseにはたくさんあります。是非機能を使って、より快適に制作作業を行えるよう試してみてください。次回の記事もお楽しみに。


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