インプレイスレンダリング1

2017年08月03日

インプレイスレンダリングとは

cubase8から搭載された機能です。プロジェクトウィンドウ上で、インストゥルメントトラックやオーディオトラックを新規トラックに書き出します

インプレイスレンダリングとは別に、「ファイル>書き出し>オーディオミックスダウン」からでもオーディオトラックに書き出しが可能(マルチチャンネルの書き出しも可能。記事はこちら。)ですが、「インプレイスレンダリング」はさらに便利に書き出しができるようになっています。

レンダリング設定その1

それでは早速インプレイスレンダリングを行ってみます。まず書き出したいリージョンを通常のオブジェクトの選択ツール(デフォルトのショートカットは「1」)で選びます。

「リージョン」は打ち込みやオーディオなどが入ったトラック上の「箱」。そのリージョンを格納しているのが、「トラック」です。書き出されるのは選択された「リージョン」なので、「トラック」はどこを選択していても、気にする必要はありません(「リージョン」と「トラック」は以降の説明でも使うのでしっかり理解しましょう)。

EX7-1 トラックとリージョン

リージョンを選んだら、「編集>インプレイスレンダリング>レンダリング設定」をクリック。「レンダリング設定」の上の、「(現在の設定で)レンダリング」は、前におこなったインプレイスレンダリング設定をそのまま使用してレンダリングします。同じ設定を使うなら問題ないですが、毎回設定を変えたいことが多いので、通常は「レンダリング設定」を使うかと思います。ダイアログが出たら、とりあえずこの設定のまま「レンダリング」を押します。

EX7-2

これで選択されたリージョン(ここでは「drums」)がオーディオ化されました。操作も軽快で、従来の「オーディオミックスダウン」より使いやすいと思います。

EX7-3 インプレイスレンダリング完了時

それでは設定と詳しい使い方をもう少し見ていきましょう。まず、書き出し範囲の選択に関して。オブジェクトの選択ツール以外にも、範囲選択ツール(デフォルトのショートカットは「2」)で選択することも可能です。オブジェクトの選択ツールでは、リージョンがあるところしか書き出し範囲に指定できませんが、範囲選択ツールの場合は、リージョンがないところもオーディオ化できるのがメリットです。例えば各トラックのパラデータを誰かに渡したい場合は、選んだ範囲を一気に1小節目からレンダリングできるので非常に便利です。範囲選択ツールでは、ctrl(macはcommand)を押しながらトラック上のリージョンの任意の場所ををクリックすると、そのトラックを選択の対象に入れたり、逆に除外したりできます(下図参照)。

EX7-4 範囲選択ツールでの選択方法

逆に、範囲選択ツールのデメリットは、同じ時間軸しか選択できないことです。たとえば、melodyトラックは1〜3小節目、drumsトラックは5小節目のみ、といったレンダリングはできません。




レンダリング設定その2

次に各種設定を上から順にを見ていきましょう。まずは、イベントの書き出し方法から。レンダリングをリージョンごとに書き出すか、それとも全て1つにつなげて書き出すかを決めます。詳しくは下図EX7-5を参照。「ブロックイベントとして」もしくは「別々のイベントとして」だと、選んだリージョンだけを書き出すので、時間がかからず便利です。

EX7-5 イベントの書き出し方法

次は、書き出しチャンネルの設定です。選んだリージョンのトラックの、エフェクト設定やルーティング設定を書き出したオーディオにどう反映するかを設定します。

EX7-6 書き出しチャンネルの設定

ちょっとややこしそうですね。その前にこちらの理解を。cubaseでトラックから出た音(オーディオ、インストゥルメントとも)は、通常以下のように処理されます。音は、この図だと、左から右に流れています。

EX7-7 cubase上でのシグナルフローのイメージ

トラックには音量やエフェクト処理がされ、またそのトラックは音量やエフェクト処理がされたグループチャンネルにルーティングされていたり、リバーブがインサートされたFXチャンネルにセンドされています。もちろんグループチャンネルやFXチャンネルは使っていない時もありますが。さらに、さらに最後の出口であるマスタートラックにも同様に音量やエフェクト処理がされています。

つまり、ここの設定は、EX7-7のどの範囲をオーディオ化するかの設定です。詳細はEX7-8を確認してください。

EX7-8 EX7-7の設定の詳細


このように、どの範囲をレンダリングするかを任意で設定可能です。さらに便利なのは、新たにできたトラックには、書き出し範囲の設定でオーディオ化されてしまった部分以外は、元トラックのエフェクトや音量設定がコピーされているということです。例えばあるインストゥルメントトラックのリージョンを「ドライ」でレンダリングした場合、元トラックに施されたエフェクト処理や音量、アウトプットルーティング、センドの設定まで全ての設定がコピーされています。打ち込み部分だけはオーディオ化しつつ、元トラック設定してあったその他の項目は編集できる余地を残しているということですね。こういった設定でのレンダリングが何トラックも一気に行えるので、ミックス時のストレスは大きく軽減されます。

EX7-9 レンダリング後のトラックは、レンダリング元の設定を引き継ぐ

今回はここまで。次回はよりマニアックな設定を紹介します。


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