今回から防音室の具体的な制作方法について書いていきます。前回の記事もお読みください。
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防音室制作において気をつけること
音楽制作を行うための防音室は、主に2つの事について気をつけないといけません。音の「遮音」と「吸音」についてです。「遮音」は「防音」とほぼ同じ意味ですね。音をさえぎるという事ですので、部屋の壁はできるだけ隙間が無いようにしたり、元々ある床や壁に接しないように(振動が伝わると音が漏れてしまうため)制作していかないといけません。その方法は、今後具体的に書いていく事になります。「吸音」は「遮音」が十分にできた部屋で、部屋内の音が壁に反射しすぎないように内壁の表面に気を使う事です。例えば吸音材を貼ったり、卵パックを貼ったりするものです。また壁素材自体が吸音性能を持っているものもあります。吸音が適切で無い部屋で音を鳴らすと、反射が多すぎて非常に聞き取りにくくなってしまいます(吸音しすぎても問題のようですが)。
よくある質問として「部屋に吸音材を貼れば隣人に迷惑になりませんか?」というものがありますが、それは遮音と吸音がごっちゃになってしまっています。吸音材が音を吸う事で多少の防音にはなるかもしれませんが、壁自体を作らないと根本的な防音にはならないわけです。
EX2-1 遮音と吸音土台を作る
防音室作りはまず土台からです。ただし、土台は階下に住人がいない場合は不要かもしれません。筆者のケースでは階下に音が漏れるとまずいので土台をしっかり作りました。まず床に使った資材は以下のようなものです。資材、工具等には通し番号をつけて本シリーズで使用していきます(工具、資材まとめはこちら)。なお、資材は全て最寄りの「コーナンpro」で手に入れました。通常の「ホームセンターコーナン」とはちょっと異なり、「pro」には建築用資材が数多く置いてあります。関西圏だと有名ですが関東圏だとあまり見ないかもしれません。「ビバホーム」「ダイキ」等でも同じようなものが手に入ると思います。
[1]遮音タイプ支持脚…ゴム足があり、床材が直接底面に接さない事で、音を階下に伝えにくくします。コーナンproでは当時¥210(税込)/1個でした。
[2]パーチクルボード…コルク素材のぶ厚い一枚板です。横900mm×縦1800mm×厚さ20mmくらいだったっと思います。めっちゃ重いので注意。だいたいの一枚板は、規格があり「横900mm×縦1800mm」になっています。この数字を頭に入れておくと良いでしょう。¥1,680(税込)/1枚。
[3]コンパネ…よく見る合板です。パーチクルボードより安く、数も多く使用します。横900mm×縦1800mm×厚さ12mmのものでよいでしょう。重いです 笑。
[4]遮音シート…下の鉛シートと同様に遮音効果のあるシートです。鉛シートと比較すると軽く安価ですが、遮音性は鉛シートに軍配が上がります。ですがカッター等で切ることも容易で、重宝する資材です。写真では壁に貼り付けていますが、巻きで売られています。横900mm×厚さ1〜2mmで、長さは10mくらいあります。一巻き¥3000くらい。
[5]鉛(なまり)シート…遮音シートの高性能版です。鉛は最高の遮音素材と言われています。ものすごく重く、ものすごく高価です。床だけはこれを使用しました。遮音シートと同じで、横900mm×厚さ1〜2mm、長さは10mです。なんと¥36,000(税込)/1巻き。これは大事なパーツにのみ使うと良いでしょう。予算が厳しければ遮音シートのみにしてしまってもいいかもしれません。
[6]グラスウール…断熱材です。これが入る事で遮音効果+他の資材の結露を防ぐ役割があります。これも大量の束になって売られていました(バラ売りもしていました)。素手で触るとチクチクするので注意。¥4,380の束を2つほど買ったと思います。
[7]コーキング剤…資材の継ぎ目の隙間を埋めるのに使います。コーキングガンと一緒に使うとよし。結構大量に必要で、¥300くらいのコーキング剤を10個〜15個買った記憶があります。
書いていくと思ったより長くなりますね。今回はここまでにしておきます。これだけではまだ防音室制作は始められないと思いますので、申し訳ありませんがもう少々お待ちください(-_-) 必要な工具なども次回に紹介したいと思います。